どうも、ひらた店長です。
2002年製TACOMA5弦アコースティックベース「CB105C」。それのブレーシング剥がれを自力でリペアしていく様子を綴っているのが本シリーズ。本日は7回目。
↑今までのシリーズや経緯説明などは以前の記事でぜひ。
前回「その6」で、ボディの奥側にあるブレーシングに手が届かない、という話をしたんですね。手が届かないので「その5」の時に使った治具が使えず、タイトボンドをブレーシングに塗った後、どうやってブレーシングを押さえるか?という問題が発生したわけです。
風船をボディ内部で膨らませて押さえるのが最有力かな、と思っていたのですが…身の回りを色々と探したところ、問題を解決できそうな物を発見。それがこちら。
父が釣りが好きでして。もうなかなか行けなくなってしまってはいるのですが…。
その釣り道具の中で、海釣り(投釣り)をする際に使う大きめの重りが上の写真でして。これがブレーシングを押さえるのに使えるんじゃないか?と思った次第。写真の大きめの重りなんかは溝がちょうどブレーシングにハマりそう。
上の写真のように思った通りにいくかシュミレーションしたところ、小さい方の重りはブレーシングの一番端に。大きくて長いものはブレーシングの上にうまくハマることが判明。
それではさっそく4番ブレーシングの接着作業を開始。
ボディ裏板のブレーシング位置。 4番はボディの奥。ブリッジの直下。 |
ブレーシングにヘラを挿し込んで隙間を作り、上の写真のようにタイトボンドを脇に垂らします。そしてもう一つのヘラでタイトボンドをブレーシングの下に押し込むようにして塗っていきます。
その作業をしている時は時間との勝負になるのでさすがに写真が撮れませんでした…。
ちなみに上の写真の向かって左のブレーシングにあるリペア跡は、前オーナー時代にリペアされた跡なのですが…今回、店長が塗ったボンドの跡と同じような形になってます。
これ、ヘラを使ってやるとどうしてもこういう跡になるんですね~。
TACOMAのサウンドホールは特殊な形で、事前にマスキングテープで保護したりできず、しかも作業終了後に簡単に拭き取る、ということもできないのです。なので、どうしてもこうやってタイトボンドがそのままになっちゃうんですね。すると、こういうリペア跡が残ってしまう、というわけ。
とは言っても覗き込まないと見えないので、普段は気にならないんですけどね。
重りを乗せる作業も必死だったので撮影出来ませんでした。とりあえず事前のシュミレーション通りにうまく乗せることができてホッと一安心。大きい重りの溝もうまくハマっていて、多少の衝撃なら落ちることもないと思われます。
そんなわけで、これにて4番ブレーシング接着作業が完了。
今回はジャッキのような治具を使っていないので、クランプでボディを挟む必要はないと判断しました。乗せている重りも「めちゃくちゃ重い」ってわけじゃないので、クランプがなくてもボディが歪んだり、裏板がおかしくなったりはしないだろう、という判断です。
一応、ボディの裏面の曲面に合わせて布のようなものを挟んで水平になるようにはしてあります。
さて。
残るは一番奥の5番ブレーシング。
ここは今回のように単純に重りを乗せることができない位置なので、何か方法を考えなくては…。悩んではいますが、今回の作業をしたおかげで少し方法を思いつきました。
なので、5番ブレーシングの接着作業をする前に専用の治具製作を。おそらく次回はその話題になるかと思います。製作と実験が完了したらご報告させていただきます。
それでは今回はこの辺で。
ひらた店長でした!
※「その8 ~治具製作3~」はこちら。
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