2021年1月24日日曜日

「TACOMA」という楽器メーカーの歴史とアコースティックベースについて。

どうも、ひらた店長です。

先日、「ついにアコースティックベース「TACOMA CB105C」を手に入れまして。」という記事を書きまして。2021年1月19日に公開した記事でございます。この時の記事では、要約すると「アコースティックベースを手に入れて嬉しい!」っていうことが書かれていたわけ。

そんなわけで今回は「TACOMA(タコマ)というメーカーとアコースティックベースについて」の、店長が調べた詳しい話を書き綴らせていただこう、というわけです。

なぜか、というと…

アコースティックベースが手元に来るまで色々とメーカーについて調べていたのですが、日本語のページというのがあまりに少なかったんですね。
アコースティックギターやアコースティックベースの評価は高いのですが、メーカーとしての知名度的には一般的ではない、という感じなのかと思います。

購入したのがこちら。
「TACOMA CB105C」

そんなわけで、ちょっと偉そうな雰囲気を出しつつ書き出してみましたが…

実際、店長も長くエレキベースを弾いてますが、今回購入にあたって調べて初めて知ったのが「TACOMA」というメーカーでございまして(笑)
調べた結果をここにまとめておくことで、誰かの役に立てば幸いだなということで書き綴っております。

さて。それでは以下は調べたことをまとめていきます。

「TACOMA」はアメリカのメーカー。

・TACOMAの歴史

TACOMAというメーカーは、ワシントン州タコマで1991年に「Young Chang America」という会社の一部門として始まったんですね。
この「Young Chang(ヤング・チャン)」というのはピアノ製造をしている韓国のメーカーで、韓国国内では50%以上のシェアがあるんだとか。

そのピアノに使う木材を供給するための会社として「Young Chang America」が作られ、そこで扱う高品質な木材から自社ブランドのアコースティックギターも作ろう、っていう計画が出たそう。そして1996年にアコースティックギターを作る会社「Tacoma Guitars」が設立され、「NAMM(全米音楽メーカー協会)」の1997年冬季大会で市場にデビューを果たす。

その後、様々なギターを市場に送り出したのですが…

1990年代後半に鳥インフルエンザの流行がキッカケになって起きたアジア経済の不況を受け、1999年に製材所のゼネラルマネージャーをしていた「JCキム」という方に、この「TACOMA」は売却されたそう。
(TACOMAのアコースティックベースは1999年に発表されたそうなので、そのJCキムさんへ売却された後に発表されたものなのかな、と推測いたします)

その後、2004年に「Fender」が買収して「TACOMA」はFenderの一部門に。
そして2008年、FenderはTACOMAを製造していた工場の移転を発表したのですが…TACOMAの名を冠した楽器は製造されることなく今に至るそう。

つまり、2008年にTACOMAは実質的に廃止になった、ということらしいです。

・アコースティックベースについて

TACOMAのアコースティックベースの評価は高く、他のアコースティックベースと比べ生音が大きいらしい。海外のページでの記述でも、他のアコースティックギターとのセッションで音量的に負けることはなかった、と書かれておりました。(リンクを保存してなかったので記事は見失ってしまいましたが…)
※2023年8月31日追記:「音量的に負けることがなかった」と書かれていた記事は→こちら←です。英文なので翻訳して参考にしていただければ。

店長はこの記事を書いている現在、他のプレイヤーの方との生音でのセッション経験がなく、かつ、アコースティックベースはこのTACOMAのものが初めての所有のため、この点について詳しくは言及することができないのですが、個人的な感覚で言えば確かに生音は大きいと思います。

手元に届いた日の店長。
店内にてさっそく試奏しているところ。

一般的なアコースティックギターやアコースティックベースはボディの真ん中に丸くサウンドホールが開いているのが普通ですが、この「TACOMA CB105C」はボディの上のところに特徴的な形で開いております。
これは「ペイズリーサウンドホール」と呼ばれ、このペイズリーサウンドホールが使われているTACOMAのアコースティックギター及びベースは「ウイングシリーズ」というシリーズ名がついていたんですね。

ボディの大きさはTACOMAで作られていたバリトンギターと同じボディサイズだそうで、結構大きいのですが抱えた感じ、扱いにくく感じることはないかと思います。むしろ、この大きなボディから生まれる低音の響きに店長は惚れ惚れしております。


所有しているのは
「TACOMA ThuderChief(サンダーチーフ) CB105C」
という5弦ベースでフレットは20まで。プリアンプはL.R.Baggs製。

真鍮製のプレートが使われている。カッコいい。
ボリューム、ロウ、ミッド、ハイ、
そしてフェイズコントロールのスイッチ。

プリアンプについては「Fishman」が採用されているものもあるようです。
↑Fenderのサイト、TACOMAの情報が記載されているページより。プリアンプについて詳しく知りたい方はこちらをぜひ。

トップ材は「シトカスプルース」。裏側と側面は「マホガニー」。
指板とブリッジが「ローズウッド」となっております。
そしてネックがボルトオンになっていることもTACOMAの特徴。

裏面と側面のマホガニーが美しい。
時々眺めたくなる色。
ネックのところにはボルトが見える。
ボルトオンなのでハイフレットが弾きやすい。

ネックの裏側の写真。
メイドインUSAの文字。
見づらいがペグにも「TACOMA」の文字が。

生音もアンプから出した音も素晴らしい、と個人的に感じます。本体も軽く、エレキベースに慣れているので長時間抱えていても疲れにくいです。

「TACOMA CB105C」参考動画。
Low-Bブラックナイロン弦。

「TACOMA CB105C」参考動画2。
こちらはHi-Cラウンドワウンド弦。


さて。
ここまで良い点を挙げて来ましたので悪い点も。

音などの評価はとても高いのですが、環境によって破損、へこみが起きやすいことがマイナス材料として挙げられることも。湿度などの条件によっては剥離などが起きたり、最悪の場合は木材が割れることもあるそう。

なので湿度の管理には気をつけたいところです。

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2022年5月3日追記

その後、実際に湿度管理をミス…いやあまり気にかけなかったせいでブレーシングが剥がれてしまいました。原因は部屋の湿度が上がりすぎてバック材が膨らみ、ブレーシングが剥がれてしまったという感じ。他にもブレーシングの端もほぼ剥がれました。

そのリペアは自力で行いました。ご興味ある方は…
↑こちらよりリペア日記すべてをご覧いただけます。
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・シリアルナンバーについて

最後にTACOMAのシリアルナンバーから製造年を判別する方法を。

1998年以降のTACOMAのシリアルナンバーは先頭にアルファベットが付けられております。
これが製造年を表していて、「B」が1998だそうだ。

店長所有のCB105Cのシリアルナンバー。
サウンドホールから見える位置にある。

B→1998
C→1999
D→2000
E→2001
F→2002
G→2003

ってことなので…自分のものは「F」で2002年製造ということになるわけです。

その他の数字部分にもちゃんと意味があって、製造日やサウンドホールの型、工場での修理歴の有無などがわかるそう。
ホントはここに記載すると優しいとは思うのですが…特に製造日はユリウス暦が使われているそうで、その辺の説明とかがいまいち理解できなかったのでFenderの解説ページをご紹介することでご勘弁いただきたい(笑)

↑Fenderのページ。英文なのでグーグル翻訳などでどうぞ。

↑Fenderのページが削除されてしまったようなのでこちらを。TACOMA公式サイトの1ページ。英文なので翻訳してご覧くださいませ。(2022年5月3日追記)

・最後に。

この記事を書くにあたって参考にしたページを紹介いたします。すべて英文となっておりますが、ご興味ありましたらそちらもご覧いただくとよりわかりやすいかと思います。




さてさて。

ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます!
この記事がどなたかのお役に立つ日が来れば幸いです。

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※2023年10月5日追記
その後、こちらの「TACOMA CB105C」は自力で29フレットまでの指板延長カスタムを施しました。その辺の話は『指板延長計画の作業工程を動画で公開』で動画にてお伝えしています。気になる方はよろしければぜひ。


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