どうも、ひらた店長です。
「リペア日記」と題して、アコースティックベースのブレーシング剥がれのリペアを記録していこう!というのが本シリーズ。
今までの記事は上記から。詳しい流れが気になる方は読んでいただければ。
さて。
それでは3回目となる今回はブレーシングの一部を接着、というか…発生した隙間にタイトボンドを入れて埋めた、という話。写真多めで状況説明などをして参ります。
この裏板が波打っているというのは、木材が湿気を吸って、それによって歪みが発生したと考えております。
私はアコベを自室に吊った状態で保管していて、部屋にはエアコンなどはない状態なのです。木材は湿気を吸うと膨らむわけですから、波打ったということは湿度が過多の状態の影響を受けた、ということかと。
(逆に乾燥すると縮んで割れの原因になる)
部屋には湿度計があるんですが、確かに夏場は70~80%になっていたような…。
アコベが手元に来た2021年1月の時、裏板は波打っておらず、スルンとした綺麗な曲線を描いておりました。無駄にナデナデしまくったので間違いないです。
それが2021年9月上旬には、上記で説明した通り、少し波打っている状態になった、というわけ。
それで、です。
先ほどのボディ裏側の赤い丸をつけた、波打っているのが顕著な部分。
そこにあるのがブレーシングの2、3番だったんですね。
これは裏板についているブレーシングの位置。 番号と剥がれている箇所、リペア跡を書き込んだ図。 |
2、3番のブレーシングに隙間が発生しているんですけど、ここは手に入れるより以前にブレーシング剥がれが発生し、それをリペアした跡があるわけなのです。
上の写真の赤い丸が波打っているのが顕著な部分。それとリペア跡がわかりやすいかと。
裏板が膨らんだ力で、タイトボンドが剥がれて隙間が発生してしまった、というわけ。
以前の「リペア日記その1」の中で「2、3番は手こずるかも…」と書いたわけですが、それは裏板の歪みを矯正したり、リペア跡のタイトボンドを削る必要があるのか…?と考えていたためです。
色々と思案した結果、私の自室には今後もエアコンが導入される予定はないですし、湿度はそのままの環境で吊って保管することになるため、下手に裏板を乾燥させて真っ直ぐに戻したりするよりも、現状のまま、単純にブレーシングの隙間にタイトボンドを入れて埋めてしまった方が良いだろう、と結論を出しました。
アコベに良い環境を用意するというよりは、アコベを部屋の環境に慣らしていこう!ということ。この辺は賛否あるかもしれませんが、あくまでも自己責任ってことで(*´Д`)
(乾燥には十分に注意していきますが…)
そんなわけで、他のブレーシング剥がれよりも2、3番の隙間を先に埋めてしまおう!という結論に至り、その作業を先にしたってわけです。
さて。それでは作業内容を。
上の写真は近くにいた兄に頼んで撮影してもらったのですが、こうやって自分を見るとなかなか滑稽ですよね…。しかし、サウンドホールが特殊な形なのでこうやってやるしかないわけなのです。ハッキリ言って結構辛かったです。
上の写真で2番の裏側にも少しボンドがあるのが見えるかと。3番の裏側にも塗ってあるのですが、さすがに撮影できませんでした。
またブレーシングの隙間が発生すると困るのでちょっと多めかな?くらいの感じでタイトボンドをヘラと筆で入れ込みまして。
この状態でブレーシングを抑えたり、ボディを外側からクランプで抑え込んだりすると歪むだけだろうと思うので、2、3番のブレーシングについては、本当に隙間にタイトボンドを入れておく、というだけの処置としたわけです。
そんなわけで2、3番のブレーシングのリペアはこれにて完了。
残りは1、4、5番のブレーシング剥がれ。
必要な治具については検討&実験をしている最中でございます。
さてさて。
それではまた作業が進んだらリペア日記を更新いたします。
今回はこの辺で。
ひらた店長でした!
※「その4 治具製作2」はこちら。
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