2025年2月17日月曜日

【MXL 2003A】ジャンク品を運良く復活させることができた話。

どうも、ひらた店長です。

何ヶ月もの間、カメラ関連(特にアクションカメラ)の話題が続いておりました。今回は久しぶりに違う話題を。
ジャンク品で手に入れたコンデンサーマイクを運良く復活させることができた、という話です。

先日、リサイクルショップで手に入れた
コンデンサーマイク「MXL 2003A」。

リサイクルショップに行くと何か買う予定があるわけじゃないのに、ついつい楽器コーナーに立ち寄ってしまうというのは「音楽やっている人あるある」かと思う。自分もその一人。
その際にジャンク品が入っているカゴをのぞくと、上の「MXL 2003A」が転がっていたわけ。

「MXL」というメーカーの
ラージダイアフラムのマイク。

実は「MXL」というメーカーも「2003A」というモデルも全く知らなかったんですが…ジャンク品として転がっていた本品は使用に伴ったであろう多少の擦り傷以外、まったく綺麗な状態でして。見た目の雰囲気からも「安物じゃなさそう」という印象。

そんなわけで、その場でネット検索してみると…
MXL2003A コンデンサーマイク(サウンドハウス)
新品なら2万円オーバーの評判の良い一品のよう。

多くのプロにも認められた、実力派エントリーモデルの大定番 MXL 2003A 【レビュー】
↑評判・レビューについて詳しく知りたい方はこちらのブログ記事を。
「Pinky sound!」という管理人momoca様が使用している機材のレビューや宅録・DTM情報を気ままに発信しているブログ。


さて。そんなジャンク品「MXL 2003A」。
店員さんに「このマイク、どういう状態のジャンクなんですか?」と聞いてみると、なんと「それ未チェック品です」とのこと。…マジ?

1100円(税込)のジャンク品だけど、ワンチャンこのマイク、家に持って帰るとそのまま正常に動作しちゃったりするのか?…買います。ってなわけで我が家に。

自室にて動作チェックを。

動作チェックの結果は「音は拾っているけど実用できないほど小さい音」でした。音が小さ過ぎてノイズが入っているかどうかもわからない状態。やはりジャンク品は本当にジャンク品だった。現実はそんなに甘くないな。

しかし、そういう自体も想定済み。1100円で「修理などが可能なのかどうか探る」という遊びに使えると思っての購入でもありました。

それで「MXL 2003A」について「音が小さくなってしまった」などの修理について調べてみる。すると「基板の電解コンデンサーが壊れていて、交換すると直る」的な記述を目にしました。

そんなわけでマイクの外装を外す。
見えている基板は電源に関する基板だそう。

先程のものを裏返した状態。
こちらが音質に関わる基板らしい。

黒い円錐状の部品が「電解コンデンサー」らしい。
これを交換するのはハードルが高いな…。

うーむ…電子工作は中学校の図工でやった以来、やったことないし…部品もどれを選んで購入したらいいかも検討がつかないし…こりゃどうしようもないか…

と思いつつ基板を隅々まで眺めていると。

赤い丸の部分が断線しているのを発見。

明らかに配線が切れている。…もしやこれを繋げられれば直る…のか?
先ほど書いた通り、はんだ付けは中学生の時以来やったことないが…これはやってみるしかあるまい。

レッツ・チャレンジ。

「はんだごて」は我が家にあったが、必要な「はんだ」と「はんだ吸い取り線」がないので地元ホームセンターにて購入。それにしても「はんだ」ってちゃんと「音響部品用」とか用途別で売っているのね。初めて知りました。

卓上マイクスタンドにマイクを固定。

赤い丸が断線していた部分。
まずはここの古い「はんだ」を除去する。
そのために「はんだ吸い取り線」というのが必要。

はんだ付けの手順などは事前にネット検索やYouTube動画にて予習済み。便利な世の中になったもんです。

「はんだごて」で吸い取り線と古い「はんだ」を熱して除去。
吸い取り線に何度か吸わせる必要があった。

「はんだ」などと一緒に購入したパーツクリーナー。
こんなにデカくなくていいんだがこのサイズしかなかった。

パーツクリーナーを綿棒に吹いて、
それで「はんだ」を除去したところを清掃。
「はんだ」には松ヤニが使われているので黄色く汚れる。

断線しているコードの先端を露出させる。
電工ペンチは電子工作をしないのになぜか持っていたもの。

ちなみに断線していたのはダイヤフラム(上の写真左の丸い部品)のマイナス側のコードだった。これを「はんだ」で慎重に再接着。ドキドキ。

おっかなびっくり、なんとか接着。
うまくいった…か?

裏側を確認してみると「はんだ」が氷柱のように
えらく盛り上がってしまっている…。
変なところに接触していないので大丈夫…だよな?

とりあえず配線の再接着はOKってことにして、基板の汚れをパーツクリーナーで除去、ダイヤフラムについたホコリを柔らかいハケでめちゃくちゃ優しく除去した。(ダイヤフラムは繊細な部品なので乱暴にすると壊れる危険性が大らしい。自己責任にて)

再度、マイクの動作チェック。
向かって右が「MXL 2003A」。
真ん中のは元々持っている「AKG P120」。

ドキドキしながら動作チェックをしてみると、正常に動作することを確認。なんてこった。本当に直った。
修理前は音がめちゃくちゃ小さかったけど、修理後は大きな音で録音されていました。(その比較・確認のために「AKG P120」も繋げていた。P120と比較して同等の音量だったのを確認)

「AKG P120」はどちらかというと高音側が強く、ホワイトノイズも結構発生しているのですが、「MXL 2003A」はフラットな印象。ホワイトノイズも感じない。落ち着いていてとても好きな音。

「MXL 2003A」をあらためて眺めていると、グリル部分にわずかに凹みがあるのを確認しました。(塗装が剥げているわけじゃなく手触りでしかわからない程度)
なのでこのジャンク品、おそらく前オーナーが軽くぶつけたか、低い位置から落としたなどして、元々付きの甘かった配線が外れてしまったのでは?と推察。

生々しい話だが…「MXL 2003A」本体が1100円。今回の修理のために購入した「はんだ」と「はんだ吸い取り線」、「パーツクリーナー」が合計1300円ほど。
なのでトータル2400円くらいで評判の良いコンデンサーマイク「MXL 2003A」が手に入ったことに。なんだこれ気持ち良すぎる。
(ちなみに、調べた「はんだ付けの知識」と実際に行った「はんだ付けの経験値」はプライスレス)


最後に。

今回のことは本当に運が良かっただけだと考えています。もし、マイクの故障原因が基板の部品によるものだった場合、手も足も出ずにそのままになった可能性が高い。あらためてジャンク品としてヤフオクに出品して購入金額を回収するという程度だったと思う。本当にラッキーだった。

元々、コンデンサーマイクがもう一本あると便利だな~と考えていたので、今回のことで「MXL 2003A」を復活させることができたのは本当に嬉しい。せっかく自力で修理したので大事に使っていこうと思う次第。


さてさて。
それでは今回はこの辺で。

2025年2月15日土曜日

【Insta360 Ace Pro】ウインドジャマーを本体マイク位置に取り付け。

どうも、ひらた店長です。

2024年9月にアクションカメラ「Insta360 Ace Pro」を手に入れてから、野外での動画撮影に度々使っています。大活躍中です。
基本的に「Ace Pro」で映像を撮影、音声は別のマイク(DJI MIC2など)で録音して、それを編集時に映像と音声を合わせています。

通常はその使い方で問題ないんですが、風が強い時だと「Ace Pro」本体の内蔵マイクが吹かれてしまって、後で音声を合わせるのが大変ということが以前にありました。
それと「Ace Pro」本体の内蔵マイクで録音された音を使いたいシーンもちょっと出てきたんです。(別のマイクを用意している暇がない時など)

そんなわけで「Ace Pro」本体の内蔵マイクの位置に、ウインドジャマーを取り付けておこうと思った次第。

取り付けは両面テープにて。

ピンマイクのウインドジャマー(風防)の生地。

両面テープを他のシールの台紙に貼っている。
この方が加工しやすいと思って。

適切なサイズに切り出す。

内蔵マイクの位置は録音ボタンの横に一つ。
(赤い丸の位置)

電源ボタンの下。

レンズの下。

本体下部の端。計4ヶ所のはず。

両面テープにポンチで穴を開ける。
これは確認のために乗せているだけ。

ウインドジャマーの生地側に両面テープを貼り、
両面テープの大きさに合わせて切る。

それを内蔵マイクの上に貼り付ける。
マイクの穴を塞がないように慎重に。

そのままでは毛が長いので
ハサミでほどほどにカット。

同じことを内蔵マイクすべてに。

レンズ下と下部もこんな感じ。

ウインドジャマーを付けたままでも
金属ケースに収納可能。
上部ジャマーは潰れてしまうが問題ないはず。

側面はもともと大丈夫。

レンズ下も大丈夫だが
下部はちょっとウインドジャマーと当たる。
これも問題ないはず。

ワンタッチマウントを取り付けた状態。
問題ないがマウントを外す際に
毛を引っこ抜かないように注意が必要。

このウインドジャマーの取り付けは、他のアクションカメラユーザーの方がやっているのを見て参考にさせてもらった次第。
以前に本体全体を覆う「スポンジ風防」を手に入れて使ったことがあるが、やはりこうやってウインドジャマーをマイク位置に取り付ける方がスマートに感じる。それにいちいちスポンジ風防を取り付ける手間がない。(その時の記事は『スポンジ風防の使用感と注意点。』)

ただ、雨や雪の時に野外撮影する際には今回取り付けたウインドジャマーが濡れると面倒そうなので、そういう時にはこの状態の上からさらにスポンジ風防を被せてしまうのは「あり」なんじゃないかと思っているところ。(もちろん金属ケースは外した状態で)

ちなみに「Ace Pro」本体には内蔵マイクが「4ヶ所のはず」と写真のキャプションに書きました。
実は公式の説明書には「内蔵マイクは3ヶ所」と記載があったと記憶しております。しかし本体にはマイク穴と思われる部分が本体下部にもあり、計4ヶ所の穴が。

この本体下部はおそらく「本体を縦向きに撮影した際に機能する」というマイク穴なのかなと推察します。本体下部にあることで本体上部と合わせてステレオとして機能するんじゃないかと。(縦向きの際には電源ボタン下のマイクは無効になるのかも。ただしこれ、本当に憶測です。気になる方はメーカーに問い合わせを)

とにかく。

こうしてウインドジャマーを取り付けておけば、本体のみでサッと動画撮影して、音声や環境音もそのまま活かせるというシーンが出てくるはず。特に仕事中は「Ace Pro」本体しか持ち歩いていないので、そういう時に活躍してくれそうです。


さてさて。
それでは今回はこの辺で。

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↑「Ace Pro」の写真撮影についての以前の話題はこれら。

↑低照度での写真撮影時の手ブレチェックについてはこちら。

↑その他の「Ace Pro」関連の記事はこれら。
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