どうも、ひらた店長です。
密閉型のヘッドホンがあると便利だな…と以前から思っていたところ、楽器を弾く人にはお馴染みの「
サウンドハウス」様にて大幅に値下げされている「
MXL HX9」というヘッドホンが目につきまして。気付いたらポチっていた、というのが今回の話。(実際は結構悩んでからポチりました)
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プロ用マイクが有名な「MXL」というメーカーの 「HX9」というモデル。 |
ファーストインプレッションなどの感想をお伝えする前に、まずは手元に届いた「HX9」の開封写真に少々お付き合いくださいませ。注意点なども軽くお伝えしています。
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パッケージの裏面。製造は「メイド・イン・チャイナ」。 メーカーの本社はアメリカです。 |
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| パッケージを開けたところ。 |
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ケーブルを取った先に ソフトケースと本体。 |
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パッケージに入っていたのは 写真に写っているものがすべて。 |
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ケーブルはカールしているタイプ。 両側の端子はねじって外すとミニタイプに。 |
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ヘッドホンの左側は太い端子じゃないと 入らないようになっていて… |
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右側は細い端子じゃないと入らない点に注意。 (写真の太い端子じゃ入らない、ということ) |
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本体はこうやって折りたたみできない。 これは不具合ではなく仕様だそうです。 写真は無理にやっているから真似しないように。 (右側の付け根が完全に曲がらない) |
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メーカーのホームページだと こういう状態で「折りたたんでいる」 ということになってます。 |
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イヤーパッドはフカフカしていて 付け心地は良い。 メガネユーザーだがその点は気にならない。 |
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頭に当たる部分はメッシュのようになっている。 通気性は悪くなさそうかも。 ちょっとクッション性もある。 |
以上が開封写真とちょっとした注意点など。
↑メーカーのホームページ&製品ページはこちらから。
↑サウンドハウスが現在7,980円でAmazonよりも圧倒的にお安いです。
それでは以下にファーストインプレッションを書いていくわけですが…その前にもう一点。
自分が主に使用しているヘッドホンは「AKG K240studio(開放型)」で、それ以上の価格帯のヘッドホンを使用したことがない人間がお伝えするファーストインプレッション、及びレビュー・感想であるということは念頭に置いていただけると幸いです。
↑現在はどちらも7000円後半。お手頃だが定番で評判の良いヘッドホン。
↑オーディオテクニカさんの解説ページへのリンクです。
さて。それでは。
2025年11月3日に手元に届いた「MXL HX9」を開封し、さっそくPCのミキサーに繋いで音楽を聴いてみました。すると…
音が全体的にこもっていて男性ボーカルの声が歪んでいる
という状態でした。
「え?マジで?」というのが正直なファーストインプレッション。
(同じ環境で「AKG K240」で聴くと歪んだりしていない。違うのはヘッドホンだけ)
不良品を疑うレベルだったのですが、ヘッドホンには「エージング」という概念があるじゃないですか?数十時間、音楽を流したりして「振動板を慣らす」という作業です。(詳しくは「ヘッドホン エージング」などで検索を)
なので諦める前に初日は3時間ほどヘッドホンに音楽を流しっぱなしにしておきました。
【初日の感想】
全音域でこもっているように感じた。低音も出ていない。音量をある程度上げると男性ボーカルが歪む。音質が耳に刺さるように感じる。
その状態で次の日(2日目)の夜。
「MXL HX9」であらためて男性ボーカルのバンドの曲を聴く。すると今度は音が歪んでいない。明らかに初日と音質が変わっている。これには本当に驚きました。
一応、ベース弾いたり動画編集したりマスタリングしたりするので「気のせい」や「耳が慣れた」とかではない、というのは強調しておきたいです。本当に歪みがなくなっていました。
【2日目の感想】
男性ボーカルの歪みが解消されている。明らかに低音域も出るようになっている。しかし全音域でわずかにこもっているようには感じる。高音域が強いのかやはり耳に刺さる感じ。
歪みの解消、音質の改善は数時間のエージングの効果なのかもしれないし、もしくは外気の湿度に影響されたのかも?と推察してみたり。原理など詳しくはわかりませんが、とにかく初日と比べて音が変わったことは事実。(軽く調べてみると製造直後の慣らし運転のことを海外では「バーンイン」と呼ぶそう。もしかするとエージングではなく「バーンインで変わった」と表現するのが正解なのかも)
そして2日目の数時間、ヘッドホンに音楽を流しっぱなしにして、3日目に音楽を聴いたところ、音のこもりがわずかに改善した…ように思う。低音域と高音域に「こもり」を感じず良く出ている。しかし女性ボーカル、男性ボーカルとも歌がある帯域がこもっているように感じる。そして耳にキンキンとするようにも感じる。
もしかするとこれから長く使えばもっと音質は良くなるのかもしれないし、現状のままかもしれない。この辺はしばらく使い続けてみて、あらためてブログ記事にしてみたい。変化を感じたことがあれば順次、この記事に追記していきたいと思う。(追記は本記事の最後に)
とにかく、ですね。
今回、特にお伝えしたいのは「MXL HX9」に関しては、開封直後は音質が安定しない個体もあるかもということです。少なくとも自分の個体は上記のような状態でした。
ネット上に「MXL HX9」のレビューが極端に少ない、というか「自分が調べた範囲では見つからなかった」ので今回の情報が何かのお役に立てればと思う次第です。
ちなみに「音質が良いのか?」という点に関しては個人の感じ方によるところが大きいと思うので自分の感想を述べるのが「はばかられる」わけだが…エージングしながら3日目の音質を聴くと「悪くない」とは思う。
密閉型ヘッドホンなので低音域がしっかりと出ているわけだが、高音域も綺麗に出ている。しかし上記のように女性ボーカル・男性ボーカルとも、歌のある帯域がこもっている状態なのは「歌物の音楽を聴く」という用途においてはちょっと厳しいかも。それと個人的には高音域が耳に刺さるのが気になる。(少し大きめの音量で聴いていると本当に耳が痛くなる)
自分が確認した中ではジャズやピアノのみの曲などだと「こもり」が気になることなく聴けた。
「モニターヘッドホン」としてどうか?というのは、残念ながら自分の経験が浅くてなんともお答えのしようがない、というのが正直なところ。もし使用中の「AKG K240studio」が「フラットな音」であるとするならば、それと比べて現状の「MXL HX9」だと「低音域が強めで高音域もやや強め。ボーカルがこもっているように感じるので中音域は下げられている?」という印象。現状が意図した音質ならば「ドンシャリ」というイメージ。このことを念頭にモニターする、という感じになるかと。(エージング3日目での印象)
↑上記感想はあくまで「エージング3日目時点での」という点にご注意くださいませ。
ちなみに「MXL」はコンデンサーマイクが有名で評判が良いメーカーでして。以前にたまたま程度の良いコンデンサーマイク「MXL 2003A」を手に入れる機会があったんです。
↑詳細に関してはこちらを。
自分の聞きかじった知識によると「マイクを作るのとスピーカーを作るのは同じ技術」と記憶しているので、「良いコンデンサーマイクが作れるなら、当然ヘッドホンも良いものなのでは?」とレビューが見当たらない状態で人柱に思い切って購入してみた次第。
そんなわけで先ほど書いた通り、エージングによって「こもり」が解消して音がクリアになり「さすがMXL」という音質になることを期待したい。
さてさて。
それでは今回はこの辺で。
ここまで長々お付き合いいただき誠に感謝。
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▼2025年11月8日追記
一日数時間、ヘッドホンに普段聴く音楽を流して5日目。ボーカルの「こもり」と高音域の耳に痛い「キンキン」は収まって来たように感じる。(耳が慣れてきたせいではない…と思う)(音を聴いて確認したのは11月7日ということで「5日目」。追記したのが11月8日)
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▼2025年11月9日追記
一日数時間のエージングをして7日目。耳に刺さる「キンキン音」は確かに収まったと思う。2~3日目では数曲も聴けば耳が痛くなったが、現在は2時間くらい聴いても痛くない(側圧の締め付け感も自分は感じない)。ボーカルもこもっている感じはなくなった。ただ「密閉型」のヘッドホンの特性なのか、音量を上げて聴いているとボーカルや高音域が「抜け切らない」という風に感じる瞬間がある。(当方、密閉型を使用するのが初めて)
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▼2025年11月11日追記
9日目。7日目で感じていた「ボーカルが抜け切らなさ」も収まってきたように思う。ボーカルや中音域が出てくるようになったように感じる。これで全音域に「音の曇り」のようなものは感じなくなった。ちなみに調べてみると密閉型のヘッドホンは開放型と比べて『音の広がりが弱いためボーカル音の強調が苦手』との記載を発見。(こちら『
ヘッドホンのドライバーとは?』という記事内の「ヘッドホンのスペックを決める3大要素」という項目より)確かにボーカルはこもっているわけではないが、他の楽器よりちょっと後ろにいるような感じがする。
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▼2025年11月14日追記
12日目。HX9から再生される音は全体的に腰高というか、キラキラした高い音に感じていた。そのキラキラな感じが急に落ち着いたように思う。再生されるボリュームも下がった…かも。超高音域が出なくなったのか、中音域が出るようになったのかはわからないが、中音域は以前より出るようになったように感じる。個人的感想だがすごく好みの音になってきた。重ねてお伝えするが「自分の耳が慣れてきた」という変化ではないと思う。毎日同じ曲を聴いてチェックしているが日々変化しているように思う。
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▼2025年11月17日追記
15日目。12日目と全体の音質は変化なし。現在のHX9の音質は、サウンドハウス様のスタッフレビューにある『高音域は自然で柔らかく聴きやすい印象。一方で、低音は量感がしっかりとありながらも過剰な強調がなく、低域から高域までバランス良くモニタリングできます。』との文言の通りに思える。ただ、一つだけ気になるのは「ドラムの音が弱い」ように感じる。ドラムの迫力が足りないというか…そんな感じ。これは単純な好みかもしれないが。
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▼2025年11月28日追記
26日目。12日目と音質の変化はなし。どうやらエージング(バーンイン)は完了したと考えて良さそう。音質に関しては11月17日に追記した文章の通りではあるのだが、HX9は「やや高音が強め」の音質であるように思う(個人の感想)。個人的には「低音が少し物足りない」とは感じるが、低音から高音まで音を聴き分けることは可能なので「モニターヘッドホン」という名に恥じないと思う(「AKG K240」は低音が強調されていて、やや高音が弱い。それから比べるとバランスよく出ているのだと思う)。女性ボーカルの「さ行」などが耳に刺さす寸前くらいで痛くはないが…人によっては刺さるように感じてしまうのかもしれない。その点にはご留意を。
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