アコースティックベース(以下「アコベ」)の音作りの迷宮にハマっている、というのが前回『アコベの音作りの迷宮にどっぷりハマっている。』の話。
エフェクターボードに隙間が出来たからと言って使用頻度の低いオートワウを入れてみたり、マルチエフェクター「ZOOM B3n」のエフェクトを入れ替えたりそれなりに迷走試行錯誤していたのですが…正直、マジでわからなくなってきまして。
全然納得のいく音にならない&ノイズ問題が解決しないので、もういっそのこと最初からやり直そうと思い、ゼロベースで音作りを見直したというのが今回の話。おかげでノイズの原因を見つけることができ、音作りも良い方に向かったと思う。
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昨夜の音作り中の様子。 |
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これは前回記事のエフェクターボード。 これを一度バラしての再考。 |
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再考してこの状態にしたが… 納得いかずこれもバラした。 |
今までは「エフェクターで音を作って、アコベ本体のプリアンプは補正に使う」的な発想をしてましたが、そもそもそれが良くないのでは?と思い、まずはアコベとアンプのみで音作りを。
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アコベ本体のプリアンプ。これは前回の状態。 |
プリアンプの設定を上の写真の状態にしていたのですが、アンプに入れただけだと音はイマイチ。正直、いい音じゃないよなと思いつつじっとプリアンプを眺めていると…これってそもそも12時位置が「0」なのでは?という疑問が。なんとなく「-」の位置が「0」だと思い込んでいた。(ボリュームがそうなので)
それでつまみをすべて12時位置にするとアコベのみで結構いい音に。思い込みは良くないと反省。
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見直し後のプリアンプの設定。 これでmidが0位置で、highとlowを削っている状態。 本体ボリュームも基本は全開が良いことに気付く。 |
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アコベのみで音を作った後に マルチエフェクター「ZOOM B3n」に繋ぐ。 |
今まではアコベの次に「SANSAMP BASS DRIVER DI(プリアンプ)」を繋ぎ、SANSAMPで作った音をアコベやB3nで補正するという発想だったが、今度はアコベで作った音をB3nで補正していくという発想に。というか、たぶん音作りってそもそも「楽器本体で音を作る」というのが最初にあるべきとあらためて思った次第。それをエフェクターなどで補正するのが正しい手順のように思う。(冷静に考えると当たり前なんだが、ちゃんとこの考えに至るまで時間がかかってしまった)
それでアコベで音を作った後に「B3n」のみを繋ぐとすぐに問題が発生。やはりノイズが発生している。
音を出していない時の「ジーーー」というホワイトノイズや、音を出した際にノイズが音に含まれてしまっている。アコベのみだと発生していないので、こりゃB3nが悪いのか…?そう思いつつ色々と設定を見直していると原因に行き当たる。
原因は「B3n本体のマスターレベルを120に設定していたこと」。
重複して恐縮だが、最近は「エフェクターで作った音をアコベ本体のプリアンプなどで補正する」という発想になっていた。これはボリュームに対しても同じように考えていて、アコベ本体のプリアンプのボリュームはマックスにせず、エフェクターやアンプのボリューム(練習場所ではミキサーのボリューム)を上げておいて、足りなかったら本体のボリュームをさらに上げて調整しよう、みたいな発想だった。
なので、どこかのタイミングでB3nのマスターレベルをマックス(120)にしたわけだが…これがノイズの原因になってしまっていた。B3nのマスターレベルは初期設定では100になっているはずで、その状態ではノイズはほぼ目立たないんだが、120にするとB3n内で発生しているノイズやエフェクト自体のノイズのボリュームまで上がってしまう。そりゃ当然の話なのだが、これを見落として安易にマスターレベルをマックスにしてしまっていたわけ。
そんなわけでアコベ本体のボリュームをマックスに固定し、B3nのマスターレベルは100とすることで、音を出していない時の「ジーーー」というホワイトノイズや、音を出した際に音に含まれるノイズ成分を減らすことができた。この点に気付けたことはかなり収穫だと感じる。
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ノイズ問題が一段落したところでエフェクトの見直し。 エフェクトチェインは最終的にこの状態に。 |
ノイズが減ったのでエフェクトも以前から変更。向かって左から「DI-5→RC BOOST→Bass PEQ→Bass PEQ→MB Comp→PLATE→RC BOOST」という順に接続されている。以下に趣旨などを簡単に説明させていただく。
まずはアコベで作った音を「DI-5(プリアンプ)」で調整。このDI-5の音がアコベにすごく合うと感じていて好き。アコベとDI-5のみでかなりいい感じになったので、その音を補正するのが以降のエフェクトの役目。
DI-5の次に配置した「RC BOOST」は最後にもクリーンブースターとして配置しているけど、軽い歪み系としても使えるエフェクト。そんなわけで2番目に配置し、わずかに歪ませ「サチュレーション」目的に使用。アンサンブルと混ざると歪んでいるのがわからない程度にすることで、高音域・倍音が出て音がよくなるらしい。完全に聞きかじった知識で今回が初の配置。次回の練習時に具合を確かめたい。
その次の「Bass PEQ」はパラメトリックイコライザー(以下「パライコ」)。
1つ目のパライコでE音の共鳴音をカット、2つ目でG音の共鳴音をカットするのが目的。詳細は『パライコをさらに追加してアコベの共鳴音の対策を。』にて。
「MB Comp」はコンプレッサー。EBSのマルチコンプのシュミレータで、他のコンプも試してみたが自分としてはこれが一番好きな音に出来た。ハイとローを別々の掛かり具合に設定できるので、スラップ時の暴れるローを抑え込みつつ、ボリュームが落ちて感じるハイを持ち上げる目的で使用。
「PLATE」はプレートリバーブで、常時浅くかけておくことで音が少しキラッとする。そして音の重心がわずかに上がる感じ。音に味付けするような感じで使用。
そして最後の「RC BOOST」はクリーンブースターとして。音色は変えずにボリュームのみを上げたい時に使用。
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各パラメータ。B3nのマスターレベルを100にしたので DI-5のゲインを上げてハイカットをオフにしても 耳障りなノイズを感じなくなった。 |
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各パライコの設定値。 1つ目のFREQを150から160に変更。 それぞれのカットするゲインも最小限に。 |
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コンプとリバーブは最小限に。 |
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最後のクリーンブースター以外は常時ONを想定。 |
以前は「アコベ→SANSAMP BASS DRIVER DI→REVOL effects EWA-01 AUTO WAH(オートワウ)→MOOER D7(ディレイ)→ZOOM B3n」と繋いでいた。その順番自体も見直して「アコベ→ZOOM B3n」となったわけだが、これで基本的な音作りは良いと思う。